庭づくりブログ
2022.08.29
石を積む職人の技
小さな石をひとつひとつ丁寧に積み上げています
数年前に群馬県の嬬恋村に7日間ほど出張石積み工事に行った時の作業風景です。
浅間山の麓の景色もよく星空もきれいな場所で、スコットランド出身のガーデンデザイナーのNICOさんからご依頼をいただきました。
積んでいる石はフランス産のロゼピエールウォーリングという石です。
このように1トンずつパレットに入っています。私たちのテクニックとして大切なことは、積みやすい石ばかり先に選びすぎないこと。石積みの経験が足りないと、序盤から積みやすい石ばかり先に選んでしまって、終盤になると積みにくい石ばかり残ってしまいます。
そうなると、下の方はきれいでも、上の方は手を抜いたように見えてしまい、一般の方が見ても違和感のある石積みになってしまいます。大切なことは、緻密な石積みでも、自然なラフな石積みでも、全体が同じようなバランスで統一感があること。
このように石を割りながら積んでいきます。
こちらは、アイアンの看板を取り付けるために、途中から3cmほど凹ませています。水糸という黄色い糸を上からのぞきこみ、複数の糸が1本に重なるラインを基準に石を合わせていきます。そして、1段ごとにモルタルを充填します。
モルタルは後ろだけで、手前からは見えません。
私と父のコンビで積んだ方もあと少し。
笠石を乗せて完成しました。
京谷と助っ人に来てくれた兄弟弟子のK君、プロ向け石積み講座の講師のKさんが積んだ方もあと少し!
こちらも完成しました!
積み上げた達成感がなんとも言えません。
あれから数年。現在では、NICOさんの素晴らしい 植栽と管理によって自然と調和したとても素敵なガーデンになっています。