代表の梅村です。これは、8年程前に作らせていただいたお庭です。存在感のある「なつめ型」の手水鉢は、150年以上前に造られた古いもので、ご実家の庭から移設しました。
手前右にはお茶事用の炉が切ってある和室があり、和室の前には濡れ縁があるのですが、そのすぐ横にはウッドデッキがあります。
いつも悩むのは、和室前の庭と、隣り合うリビングやダイニングからの庭とをどう繋げるのかというテーマです。
こちらはモデルガーデンです。これも悩みました。
同じ庭木、同じ石が和室からも、ダイニングからも、玄関からも、事務所からも見えるので、何度も中へ入ったり、外へ出たりしながら、配置や向きを調整しました。
暮らしの庭づくりにおいては、それこそキッチンに立ったとき、ダイニングに腰掛けたとき、リビングのソファーに座った時、和室で正座したり寝ころんだとき、それぞれのシーンで、五感で感じながら心地よさを探ることが、普段の暮らしの中で庭や緑を心地よく感じられるポイントだと思います。
また、敷地の条件は様々で、最初の写真のお庭も、このモデルガーデンも建物と敷地が平行ではなく、必ず収まりの難しい箇所が出てきます。
狭いけど、園路を確保したい、こっちの窓からの木の配置はバッチリだけど、こっちの窓からは真ん中にきてしまうなど、悩ましい問題が色々出てきます。
こうした収まりをしっかり考えることが大切だと思いますし、実際の施工においても、お施主様と一緒に確認をしながら、「ちょうどいい感じを探る」ことが一緒に庭づくりをする醍醐味だと思います。