↑はモデルガーデンの石畳みを施工しているところです。
当然、石のパズルで頭がいっぱいですが、
「自然素材を扱う技術」と「身近な生活空間」をどう結び付け、庭づくりの向こう側にどんな「過ごし方」が生まれるか、そんなことを思い描きながらの作業です。
自宅にいながら木々の緑に包まれ、大地とのつながりを感じ、光や風を感じられる。
そんな居心地の良い空間で過ごす「子供や家族のいきいきとした表情」を想像しながら、そんな庭のある暮らしを提案できる技術者でありたい、そんなことを考えています。
↑子供達と手羽先のBBQをしているシーン
「庭」というのは、芸術的、造形的な要素の強いジャンルでもあって、私の周りにも庭談義を一晩中語り合いたいような熱すぎる人たちがいますが、
私はそんな人たちがちょっと苦手で、「庭とは何か?」「お前の世界はあるのか?」「どんな庭が作りたいんだ?」と問い詰められても自分の言葉で自分の考えをしっかりと伝えることができませんでした。
「自分は表現者ではなく技術者ですから」と逃げたり、葛藤する時期も長く続きました。
作品性を追求するような使命感や、体の内側から湧き出すような表現欲求は、どんなに自分の中を探しても、無いものは無い。持ち合わせていないものは見つからない。
30代も後半になった頃、良くも悪くも「素人感覚」が自分らしさなのだ、と開き直りました。
難しいことは置いておいて、私がつくりたいのは居心地の良い空間であったり、楽しく暮らすことであって、
「やっぱり我が家が一番〇〇」、「気持ちいい」「楽しい」「落ち着く」「私たちにちょうどいい」etc.
そんな感覚を、改めて言葉にして大切にしたいと思う。
相手を試してくるような同業者は一生論破できないかもしれないが、
技術者としてのこだわりを大切にしながら、暮らし手の目線で考えられる、そんなありきたりな言葉がしっくりくるのである。